アロマ(芳香)テラピー(療法) − 芳香療法 アロマテラピーとは、ハ−ブ(薬用植物)や果実などから抽出した100%ピュアなエッセンシャルオイル(精油)を使った健康法のことです。 中でも、植物が与えてくれる香りは、人間に生きるものとしての本能を目覚めさせ、わたし達本来が持っている自然治癒力、心と身体のバランスを回復してくれるという、とても素晴らしいチカラが秘められているのです。 また、香りのもとである精油を使ったトリートメント(マッサージ)をすることで、精油は皮膚を通してからだの中に入り込み、病的な細胞を健全にしてくれます。 アロアテラピーは、嗅覚と触覚を利用し、心身の両面から健康へと導いてくれるのです。
アロマテラピーの起源は、紀元前3000年ほど前に遡ります。 エジプトでは宗教的な儀式としてお香やハ−ブを焚き、紀元前1800年程には、すでに芳香植物を薬や化粧品として活用していたと言われています。 この頃よく使われていたものに、フランキンセンス(乳香)、ミルラ(没薬)などがあります。それぞれ木の皮や幹などから精油が取れるのですが、エジプトではこれら木や葉などを燃やして、香煙として使用していました。 たとえば、フランキンセンスは日の出とともに焚かれ、正午には太陽崇拝の儀式の一部としてミルラが焚かれました。特に、フランキンセンスは黄金なみの貴重なもので、キリスト誕生の際捧げられた、と言われています。新約聖書には、フランキンセンスとミルラが使者からの貢ぎ物で捧げられた、とあり、そのときキリストはフランキンセンスを選んだと言われています。
また、中国でも、紀元前2650年程に、薬草を煎じたマッサ−ジ法が記述されています。
アロマテラピーは、紀元前から心身の癒しに抜群の効果を発揮する存在だったのです。
そして近年、アロマテラピーという言葉の発祥は、1928年、「芳香療法」という著書を発表したフランスの化学者ガット・フォセによるものでした。
では、なぜいまアロマテラピーなのでしょう? 17世紀のイギリスでは、カルペパーやジェラ−ドなどの薬草学者によって、アロマテラピー(ハ−ブ医学)は黄金期を迎えていました。 しかし、例えば”魔法の弾丸”と言われた抗生物質の登場などによって科学技術による近代医学が、それに代わって人々の絶大な信頼を集めることとなり、アロマテラピ−(ハ−ブ医学)は衰退していきました。 ところが、すべての病気をなくすと信じられてきた近代医学も20世紀半ば頃から、なくなるどころか逆に病人の数は増えつづける現状に、近代医学は自らの限界に直面しました。 近年の、ストレスからの心身症や成人病など、原因がはっきりしない病気の旺盛によって、医療の考え方は、予防医学、自然治癒力(免疫力強化)、副作用のない治療などを大切に考えるように変わってきました。 そこで、アロマテラピーのような自然療法が再び脚光を浴びるようになったのです。 現在では、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランス等を中心に、アロマテラピーの有効性が医者や化学者たちから次々と報告され、実践されています。 また、製薬、食品、化粧品、香水などの様々な業界でも、エッセンシャルオイルの有効性分を積極的に活用する製品が次々と作られるようになりました。
精油の有効成分を体に取り入れるには二つの方法があります。 揮発性である精油の香り分子は、空気中を漂い鼻の奥の嗅上皮という部分に達し、ここにある嗅細胞で電気信号に変換され、大脳辺縁系へと伝わります。 ここで古い記憶や本能活動と結びつき、怒りや恐怖心の「不快」、安心やリラックスなどの「快」といったさまざまな感情を呼び起こした後、生命維持活動には欠かせない視床下部というところへと伝わり、身体に生理反応が現れます。 大脳辺縁系:大脳の中の”古い脳”と呼ばれ、感情や本能、記憶に関わる働きをしています。 視床下部:”脳の中の脳”と呼ばれるほど重要な器官で、体温をはじめ水分、血圧、食欲の調節、また内臓の働きなど多くの重要な働きをしています。 <皮膚からの吸収> 例:トリートメント(マッサージ) そもそも油である(注:油脂ではありません)精油が皮膚の脂質となじみやすいことや、小さな分子量のため容易に細胞と細胞の間から深部へと浸透し、毛細血管やリンパ管に入って全身を循環させることができます。 このように、精油成分は血液中に取り込まれてから体内をめぐり、いろいろな組織に影響を与えます。 そして最終的には、精油成分は肝臓で分解され、腎臓でろ過されたのち、尿中へと排出されます。そのほか、汗や呼気の中、便の中にも排泄されていきます。 *体内に入った精油の排出・・・約90分で対外へ。(健康な人は60分といわれています)
基本となるのは、芳香浴、入浴、トリートメントの三つの方法です。
★芳香浴・・・嗅覚を利用 ・直接吸入〜手軽に楽しめます ハンカチやティッシュに精油を1〜2滴染み込ませ、枕元やデスクワークに。また持ち歩くと外出先でも香りが楽しめます。注:精油によってはハンカチにシミのできるものもあります。
洗面器やマグカップにお湯を張り、3滴以下の精油を落とし、立ちあがる湯気を吸入します。洗面器を使用する場合は、湯気が逃げないようにバスタオルなどで頭を覆うとさらに効果アップ。注:咳の出るときや、ぜんそくの方は吸入法は避けましょう。
専用のアロマポットやバーナーを使い、水やお湯を適量入れた上皿部分に精油を3〜6滴くらい落とし、キャンドルで加熱して香りを立たせます。注:アロマポットのまわりには燃えやすいものは置かず、風のない安定した場所に置きましょう。子供やペットの手の届かないところで使用しましょう。使用中はそばを離れないで下さい。
芳香スプレーを作って、車の中、オフィスでの気分転換、眠気覚ましなどに手軽に利用できます。アウトドアにも防虫効果のあるスプレーを作っておくと便利!
★入浴・・・嗅覚と触覚を利用 ・全身浴〜ゆったりつかってリラックス バスタブに少しぬるめのお湯を張り、精油を5滴程度落とし、手でよくかき混ぜ香りの湯気が立ちあがったところでゆっくりつかりましょう。 精油は水に溶けにくい性質があるので、植物油に混ぜてバスオイルや、天然塩と混ぜてバスソルトなどとして利用してもいいでしょう。 おもにはリラックスを目的とした方法ですが、元気を出したいときや、スッキリ目覚めたいときなどは少し熱めのお湯で短時間に切り上げましょう。
バスタブにおへその少し上までつかる程度のお湯を張り、精油を3滴程度落とし、手でよくかき混ぜてじっくりつかりましょう。上半身が冷えないようにタオルなどをかけ、30〜40分かけてじっくり汗をだすことがポイントです!
洗面器に少し熱めのお湯を張り、精油を3滴程度落とし、手でよくかき混ぜて両手首の上までつけます。10〜15分行うと良いでしょう。
洗面器やバケツに少し熱めのお湯を張り、精油を3滴程度落とし、くるぶしの上まで浸るようにつけます。10〜15分行うと良いでしょう。この方法は座りながらできるので、高齢者や体力の衰えている方なども楽に楽しめます。
ぬるめのお湯を、おへその少し下までつかるくらいに入れて、精油を3滴程度落としつかります。5〜10分程度行います。
★トリートメント・・・嗅覚と触覚を利用 もっとも有効なアロマテラピーの方法 精油を他の植物油、たとえばグレープシード油やホホバ油などに希釈して作ったトリートメントオイルを使い、皮膚を通して有効に成分を身体に浸透させる方法です。 そこで行われるボディタッチにもとても大きな価値があります。肌の触れ合いからうまれる喜びや安らぎが、体だけでなく精神面にも大きな影響をもたらしてくれるのです。
トリートメントの効果を高めるために、いくつかポイントを押さえておきましょう。
★温湿布・冷湿布・・・手軽にできる応急処置として 洗面器に水または適温のお湯を張り、精油を3滴程度落とし、タオルや布に含ませます。軽くしぼり、湿布する部位に当てます。 冷湿布:急性のトラブルに 温湿布:慢性的なトラブルに
★コスメティック・・・手作りの、オリジナルスキンケア トリートメントオイルやオリジナルスキンケア品は、あくまでも「自分のために自分で手作りすること」が前提となっています。作成したものをむやみに販売、またはプレゼントをした場合、薬事法などに違反する恐れがあります。ホームケアで自ら使うのみにとどめましょう。 シャンプー・リンス・化粧水・クレンジングパック・ハンドクリーム・・etc
★フレグランス・・・手作りの、オリジナルフレグランス 精油を使ってあなただけの香りを作り出すのに限りがありません。バリエーションは、あなたの想像力次第です。 パフューム・トワレ・オーデコロン・・・ルームフレグランス |